高い実用性と価格
「BASIC SURF」
高いコストパフォーマンスを重視したUlTiMaシリーズに属する投げ竿だ。同社が手掛けるオルルド釣具シリーズも高いコストパフォーマンスを誇るが、このUlTiMaは、よりパフォーマンスに特化したブランドという位置づけである。
遠投性と喰い込みという相反する課題をクリアするために、グラスとカーボンの良いとこ取りをした構成になっており、これは有名メーカーたちが販売するロッドと同様。もちろん実際に使用しても、投げやすく良く飛んで、パワーがあるのに食い込みは良好だ。
投げ竿は、その特性から複数のロッドを置き竿にして待つ釣り方に使われることが多い。こうした時に高価なロッドはどうしても複数本揃えることは難しい上、扱いも慎重さを求められる。
この点において、必要十分なパフォーマンスを持ちながら1本あたり1万円を切る価格は非常に魅力的である。
安さを感じさせない
「BASIC SURF」は高い実用性を持ちながら価格は抑えられている。
こうしたロッドは往々にして見た目が非常に安っぽかったり、ちょっとした使い勝手を犠牲にしていたりすることがある。
しかし、このロッドにはそうした妥協が見られない。
見た目は質感ある美しい表面仕上げを施してあり、ガイドフットやグリップなどどこを取っても強い個性はないものの質感良く仕上げられている。
更にガイドが回らない完全固定式を採用しており、普段の使い勝手は良好だし、保護性能が高そうなティップガードが付属する点も嬉しい。
細かな話をすればロッドエンドのキャップは金属製で、とにかく安っぽさは感じない。そして非常に気が利いている。
こうした要素を並べてみると、1万円を切る価格は驚異的だと感じられる。
マイクロウェーブガイド
「BASIC SURF」の最大の特徴がこのマイクロウェーブガイドにあると思う。
私自身、このロッドを手にするまでマイクロウェーブガイドに触れたことはなく、知識もなかった。そこでよく調べてみると、ライントラブルやコントロール性、ウェイトバランスや疲労軽減といったキャスト回数が多い釣り(主にルアーフィッシング)に大きく貢献する技術であることがわかった。
これから10回、20回と釣行を重ねる中でジワジワと良さが実感できる技術だと思われるが、実際に使用してみた感じでは耐久性が低いだとか、感度に悪い影響を及ぼすだとか、遠投性が悪くなるようなデメリットは感じない。
そればかりか、太いナイロンラインから細いPEラインまで使用した物の、一度もライントラブルに遭っていない要因は、もしかするとこのマイクロウェーブガイドかもしれない。
総括
高い実用性・美しい質感・低価格という3つの特性を備えた素晴らしい投げ竿だと思う。
これまで有名メーカー製の投げ竿も使ってきたが、このロッドで何も不満を感じることはない。むしろ、同価格帯の有名メーカー製の投げ竿は安っぽく気も効いていないように感じる。
特に複数本のロッドを並べる置き竿の釣りでは、このロッドが真価を発揮すると思う。
これまで使用してきた投げ竿に好き嫌いという思いは抱くことがなく、こだわりも全くなかったがこのロッドはとても気に入ってしまった。
今後、2本目・3本目と手に入れて釣り場に並べる日も近い。
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