エサ釣りの万能ロッド「ファミルドA」
「ファミルドA」は、その名の通り手軽なファミリーフィッシングのためのロッドだ。
主に想定される釣り場は堤防や海釣り公園で、サビキ釣りやちょい投げ釣り、足元に落とすブラクリ仕掛けや胴突き仕掛けによる釣りに向いている。
サイズ展開も足元狙いや初心者でも扱いやすい1.8mから
足元ちょっと先からちょい投げまで対応できる2.4mや2.7m
そしてちょい投げなどで少し遠くまで狙うことができる3mや3.6mなどバリエーションが豊富だ。
黒一色の見た目や金属製のリールナットからは安物感が伺えず、釣具店の店先に並ぶ安価なロッドとリールのセット品とは一線を画すことが伺える。
また、長さを問わず50cm前後に抑えられたコンパクトな仕舞寸法も魅力で、大きめのクーラーボックスに仕舞ったり、リュックに詰め込んだりして持ち運ぶことも容易だ。
重量は近年のカーボン製ロッドに比べればやや重いものの、常にアクションを入れ続けるルアーロッドではないから特に重さが負担になることはない。
張りの弱いよく曲がるロッドで、小物のアタリも逃さず捉えて釣り上げることができる。
よく曲がるもののバッドに近づくにつれて、徐々にパワーが増していく特性はエサ釣りの万能ロッドであることを強く思わせる。
ロッドが魚の強い引きを吸収してくれるため、魚とのやりとりは容易で初心者や手軽な釣りに最適だ。
ルアー釣りには決して向かないが、エサ釣りであれば小物釣りから40cmクラスの魚までしっかりと対応可能だ。
それ以上の魚には、しっかりとドラグを調整しながら寄せて、たも網で掬うテクニックが求められるかもしれない。
万能スピニングリール「ハニカムスピニングリール」
今回「ファミルドA」に「ハニカムスピニングリール」を組み合わせて使用した。
同系統の黒一色による仕上げはマッチングが素晴らしく、黒一色のタックルは見た目も決して悪くない。
安いリールと言えば良い思い出がないものだが、この「ハニカムスピニングリール」は時の流れを強く感じさせるリールだ。
まずもって安物リールの特徴と言えばガタガタのハンドルだ。
それがこのリールではマシンカットハンドルを採用しており、安物感を感じさせないばかりか高い剛性すら感じる。
巻きはやや重いもののスムースであり、ドラグ性能も良い。
巻きはやや重いもののスムースであり、ドラグ性能も良い。
安価なリールではドラグの微調整が難しいことも珍しくないが、このリールでは確かなクリック感のあるドラグノブを回すことでドラグの微調整が容易に出来る。
残念ながらこのリールで大物とは巡り合えていないものの、大物とのファイトでもしっかりと役割をこなしてくれることを期待させる。
ドラグ音は比較的大きな高音で、好き嫌いが分かれるところではあるが個人的には好みの音だ。
よく響くドラグ音はファイトをより一層楽しいものにさせてくれる。
少し不安があるとすれば、注油が必要なシャフトがハニカム状に肉抜きされたスプールを通して丸見えな点。
そしてドラグ音の大きさからわかるようにグリスが少々少ない点だ。
長く使ってみないことには何とも言えないが、もしかすると耐久性はやや劣る可能性がある。
私は釣りの後に必ずリールを洗浄し、定期的にオイルやグリスアップなどのメンテナンスを行う。
そのため安価なリールでも少なくとも3年、長ければ5年以上使うことも珍しくない。
このリールは釣行後の丸洗いでオイルが流出しやすいため、都度注油を行うべきなのかもしれない。
幸運にもハニカム状の肉抜きのお陰で、オイラーやスプレーオイルのノズルをそのまま突き刺して注油できるため面倒くささは感じない。
柔らかすぎるナイロン「ウルトラソフトナイロン」
「ファミルドA」「ハニカムスピニングリール」と組み合わせて使用したのが「ウルトラソフトナイロン」だ。
最近ではルアー釣りの機会が増え、なかなかナイロンラインをメインラインとして使用する機会が減っていた。
しかし、今回この「ウルトラソフトナイロン」を使用して感じたのがツルツルとした滑らかさとコシの弱いしなやかさ、そして伸縮性の良さだ。
総じてとにかく柔らかいラインということができる。
試しに手持ちの別のナイロンラインと比較しても、明らかに柔らかいしよく伸びる。
伸縮するラインは、その特性上劣化や部分的な強度低下が心配されるが、ファミリーフィッシングに使う程度であればそれも気にならない。
それ以上にありがたいのが、その伸縮性故に魚とのファイトが容易で、針掛かりが良いことだ。
また、太くてもコシがないためラインの結束など扱いがとにかく簡単だ。
ファミリーフィッシングには打ってつけだが、使いどころはそれ以外にもある。
それがハリスとしての使用だ。
特に私はサビキ仕掛けを自作することがある。
足元や少し投げて使用する一般的なサビキ仕掛けではなく、遠投やジグサビキに使う太いラインを使ったサビキ仕掛けだ。
サビキ仕掛けは幹糸から伸びるハリスの長さが非常に短いことからファイト中のラインに想定以上の負荷がかかることがある。
こんな時にハリスや幹糸にこのラインを使用することで、かなり吸収効果を持たせることができる。
それ以上にライン自体がしなやかなことで、サビキ針が自然な動きをしてくれる点が嬉しい。
おもちゃか?道具か?「ギョルルド」
収納すると愛くるしい魚の見た目をしたロッド「ギョルルド」を試した。
愛くるしい魚の見た目ばかりに気を取られがちだが、注目したいのは30cmを下回るその仕舞寸法の短さだ。
私自身、この手のトラベル向け超コンパクトロッドを所有しているが、それにしても30cmは短い。
小さなバッグにも収まるし、カラビナをつけて腰にぶら下げても良いだろう。
ロッドは意外に張りのある特性で、ちょっとしたルアー釣りならこなすことが出来そうだ。
ちょい投げ釣りやサビキ釣りにも対応するが、いかんせん短すぎて比較的大柄な自分には使いづらい。
唯一使いやすいと感じたのが仕掛けを足元に落とす釣りだ。
例えば、堤防で胴突き仕掛けを使って足元を探る釣りにはピッタリだろうし、穴釣りにも向いているだろう。
とはいえ先述の通り張りがあるものだから、小魚のアタリを弾きやすい。
張りを活かしてルアー釣りに使うには短すぎる。
小柄な方やお子さんが堤防でファミリーフィッシングに使うのが最もギョルルドが輝く瞬間と言えそうだ。
そんなギョルルドには一つ大きな難点がある。
それが竿尻のキャップを外すことが出来ないという点だ。
私は釣りに行くたびにロッドを綺麗に水洗いして乾かす。
特に安価なロッドはこれを怠るとすぐにガイドが錆びたり、塩噛みしたりしてしまう。
この手の振出ロッドを洗った時に欠かせないのが、竿尻のキャップを外して内部に入り込んだ水分を抜き取り乾かす作業だ。
これが出来ないとなると、道具として長く使っていくのは難しくなる。
致命的な難点ではないが、長く付き合う相棒(道具)としては少し首を傾げざるを得ない。
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