【解説編】オイカワ釣り

お客様

暑い夏、家族と出かけて河原でデイキャンプ。バーベキューをしたり、水遊びをしたりするのはとても楽しいものです。ふと川の中をのぞくとキラキラと光る銀鱗。

「何の魚だろう。釣ってみたいな。」

という思いになったこともあるのではないでしょうか。

それはきっとオイカワだと思います。

オイカワという魚

オイカワは淡水魚。日本では東北地方から九州までの川に生息する魚です。体長15cmほどの小型魚で、流れが比較的穏やかな中流域に多く住んでいます。白く輝く魚体で、川をのぞくとキラキラと光って見えます。

人里で多く見かけられるので、関東ではヤマベ関西ではハエと呼ばれ、昔から釣りの対象魚として親しまれています。

とても美味で煮ても焼いても揚げてもおいしく食べられます。

一年中釣る事ができますが、特に他の釣りものが淋しくなる冬の寒い時期には、淵やトロ場に群れを作り、数たくさん釣れ、臭みもなく身も引き締まっておいしいので「寒バエ釣り」として人気があります。

オイカワ釣りの仕掛け

オイカワ釣りには、あらたまって専用の道具はいりません。釣り具屋さんなどで竹竿とセットで売っている「川釣りセット」で大丈夫です。

自分で揃えるときは、竿は延べ竿で柔らかめの渓流竿や、万能竿の4.5m程度の長さの竿。

道糸に0.8号程度の太さのナイロンを、竿いっぱいの長さに取ります。上からウキゴム、ウキ、カミツブシなどの鉛、サルカン、ハリス、針の順番につけます。

ウキはトウガラシウキや小型の玉ウキ。カミツブシはそのウキに見合ったもの、もしくは板シズを巻き付けてもいいです。サルカンは小型20号ぐらいでスナップ付きや自動ハリス止め付きのものを使うと針交換が簡単です。ハリスは0.4号程度の太さのナイロンを20cm前後。針は袖型の3号程度と小さな針を結びます。

オイカワ釣りの餌

オイカワは雑食性なので、多種な餌を使えます。

動物性のものではサシ虫(サバ虫)、シマミミズ、川虫等。サシ虫はとんがっている方をちょん掛けにし、針先を出します。シマミミズはできるだけ細いものを長さ2cmほどに切って通し刺しにし、針先を出します。川虫は川の中の石をはぐって捕る虫です。瀬があれば現地で調達できるところが魅力ですが、すぐに死ぬので保管が難しいです。どの虫もオイカワ釣りでは使えますが、捕獲しやすく使いやすいのは、クロカワ虫です。クロカワ虫は、川底の石をはぐると、小さな小石を集めて作った巣をはぐると、獲ることができます。小さめの方が針掛かりしやすいです。付け方はどの虫もちょん掛けで、針先を出してつけます。

植物性のものでは、釣り具屋さんでチューブに入った練り餌、これを米粒大にして針が隠れるようにつけます。その他、食紅やケチャップで着色したスパゲティー、これを5mmぐらいの長さに切ったものにサナギ粉をまぶしたものや、小麦粉に味噌と醤油とサナギ粉を混ぜて、耳たぶの硬さに練ったものを、米粒ほどに丸めたものも、よく使われます。

オイカワの釣り方

オイカワを釣るのに、そんなに朝早くから行く必要は、ありません。むしろ日が昇って、気温と共に水温が上がり出すくらい、ゆっくりしてからの方が、オイカワの活性も上がって反応がいいでしょう。

 釣り場は街中、人里からそう遠く離れて無くても、見た目「きれいな川だな。」と思えるような川なら良く、川をのぞいてみて、キラリと光る銀輪が見えたら、そこが釣り場です。オイカワは、見た目きれいな魚ですが、川魚の中でも、結構水質の汚れには強い魚なのです。川岸、河原があり、川に流れがあって、底に石が並んでいるところが近くにあるところをポイントとして選びましょう。

オイカワは、春から秋の暖期は、産卵期で、流れの速い瀬に散らばって出ています。

秋から春の寒期は、流れの緩いトロ場や淵に、群れになって過ごしています。なので、狙い場は暖期は瀬を中心に、寒期は瀬尻からトロ場を中心に釣るといいです。

暖期の瀬で釣る場合は、水深30cm~70cmくらいで、流れの中でもウキが立つぐらいの流速の所を選びます。

そして、ウキ下を底から10cmくらい上になるように合わせます。餌なしで流してみて、仕掛けが底をずるとウキが沈んでしまうので、ウキ下を浅くし、ウキが立って流れるようにするとOKです。

流れの速い瀬を釣るときは、餌が外れにくい動物系の餌が向いています。餌を針につけて、流れの上流に仕掛けを投入し、流れに乗せて、糸いっぱいまで流します。アタリがなければ、もう一度上流に仕掛けを投入、この繰り返し。ずっとアタリがないようであれば、狙い場を変えます。足場を上流に移動したり、下流に移動したり、沖を狙ったり手前を流したり等々。

オイカワが食えば、ウキがシュッと勢いよく沈んだり、横へ走ったりします。ウキがぴょこぴょこするときは、まだオイカワが餌を食い込んでいないので、見逃します。食いアタリが出たら、シュンと手首を返す程度に小さく鋭く合わせます。魚が掛かれば、魚体が水面から出るか出ないか程度に浮かして竿を立て、手元近くに寄せてから、水面を切って、手でつかむようにすれば、バレることは少なく取り込めます。

寒期の場合は、ウキ下50cm~1mぐらいのゆっくりした流れのトロ場、瀬尻などがポイントです。群れで行動していることが多いので、1匹釣れたら同じところで何匹も釣れる場合が多いです。

さらに、群れを集めるのに、撒き餌をすると効果があります。撒き餌は、釣り具屋さんで川の撒き餌として売っているのを使うと便利ですが、自分でも作れます。自分で作る場合は、ベースは精米所などで無料で手に入る米ぬか。これにサナギ粉と少々の小麦粉、みそ、砂を混ぜて、昔作って遊んだ泥団子の要領で練って、テニスボール大のダンゴにします。撒き餌は、釣るポイントの少し上流に2,3個投入します。釣れるオイカワが少なくなってきたら、撒き餌を追加すると釣れ続きます。

ウキ下は、暖期と同じように、基本は底から10cmほど上に上げたところ。撒き餌が効くと、タナが浅くなることがあるので、様子を見ながら浅くしたり深くしたり調節するといいでしょう。

餌は動物系でもいいですが、撒き餌と同じ植物系の方がよく喰ってくることが多いです。一カ所で続けて釣れるので、手返しの面からも植物系の餌を使うといいでしょう。流し方と合わせ方、寄せ方は暖期と同じで大丈夫です。寒期は大きな群れをとらえれば、一カ所で100匹なんて釣果もよくあるので大漁が期待できます。

オイカワの食べ方

釣ったオイカワは、鮮度を保つためクーラーに氷を入れて持ち帰りましょう。

下処理としてお腹を開けて、内臓を取り除きます。取り除かなくても少し苦いですがこれが好きという人もいます。うろこは、薄いので特に気にならなければ取らなくても大丈夫です。

釣ってすぐに塩焼き、煮付け、唐揚げと調理して食べても美味しいですが、すぐに食べられない量の収穫があった場合などは、お腹だけ出して串刺しにし、干して干物にしておくと保存ができ、必要なときに食べるといいです。オイカワ料理が好きな九州や岡山県の人は、よくそうやっています。干物は吸い物のダシ取りに使うのもいいダシが出ますよ。

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