低価格と実用十分なパフォーマンス
この「ヘビーウェイトシンキングミノー」を筆頭にオルルド釣具のルアーは価格が安い。
もちろん安いだけではなく性能も必要十分である。
泳ぎが良いだとか、飛距離が出るだとか、特筆すべき優れた点はないかもしれない。
しかし、これまで一流メーカーが歩んできたルアー開発の道のりから良い点を吸収して作り上げられている。
この「ヘビーウェイトシンキングミノー」を例に取れば、シンキングミノーの例に漏れず泳ぎは弱弱しい。一般的に浮力あるボディにウェイトを積むことで成り立つシンキングミノーは、フローティングミノーに比べて泳ぎが弱弱しい。これは高価なシンキングミノーでも変わらない。
しかし、それが弱ったベイトを演出する。何よりウェイトがあるため、ある程度狙ったレンジを探ることが出来る点がシンキングミノーの強みだ。
当然このルアーもその特徴を継承している。特筆する点はないものの、シンキングミノーとしての機能は十分に果たすと言うことだ。重量があるため飛距離もそれなりに出るし、飛行姿勢も激しく崩れることはない。巻けば泳ぐし、待てば沈む。ジャークやトゥイッチなどのアクションにも的確に反応してくれて、本当に必要十分という言葉がピッタリだ。
状況に合ったルアー選びを助ける
逆に言えば、状況に合ったルアーを選ぶことが出来なければ釣果があがらない。つまり、様々な状況に対応する多種多様なルアーを所有する必要があるということだ。
ミノーひとつ取っても、フローティングとシンキングだけでなくサイズ、カラー、リップのサイズとアクション、重心、飛距離など選択肢はあまりにも多い。
よほど経済的な余裕がない限りは、一流メーカーのルアーですべてをカバーすることは不可能だ。
そんな時に、オルルド釣具のルアーが役に立つ。
オルルド釣具のルアーの良さはこの一点に尽きると言っても過言ではないだろう。
一流メーカーであればルアーを1本しか買えない予算でも、オルルド釣具であれば6本買える。同じ金額で、それだけの選択肢が増える。釣果があがる。
アンマッチザベイトにおけるヘビーウェイトシンキングミノー
今回この「ヘビーウェイトシンキングミノー」をレビューするにあたり、春先のサーフを釣り場に選んだ。
例年であれば青物も回って来るし、フラットフィッシュやシーバス、クロダイ、根魚など多様な魚を狙うことができるポイントだ。
このポイントにおける地元のベテラン釣り師たちの釣法は大きく分けて2つに分類される。ひとつは「ぶっこみサビキ」と呼ばれるサビキ釣りの一種で良型の青物を狙う釣り。そしてもうひとつはサーフから突き出た突堤からのクロダイやメジナ狙いの「ふかせ釣り」だ。いずれも魚さえ入ってくれば釣果をあげやすい釣り方と言える。
しかし、今年は状況が違った。
大きな潮流変化によるものか、青物がまったくと言っていいほど回ってこない。それ以外の魚も寄ってこない。
ショアからの釣り全般が渋い状況だった。
これに加えてこのルアーとベイトのサイズがまったくといいほど合っていなかった。
ベイトはいわゆるマイクロベイトと呼ばれるかなり小さなサイズの小魚で、12.8cmもある「ヘビーウェイトシンキングミノー」はあまりにも大きすぎる。
マズメ時でさえライズやなぶらも出ない異様に静まり返った状況である。
前者はあまりにも運任せの釣りであるため、基本的には後者を信じて釣り場に通い続けた。
死にかけの魚というのは底に沈んでピクリとも動かない。そうかと思えば、いきなりヨタヨタと不自然に泳いでまた止まる。
ベイトとルアーがマッチしない状況下でも、フィッシュイーターが死にかけの魚を見つければ食いついてくるはずだ、という考え方である。
こうした動きを演出するという点において、このヘビーウェイトシンキングミノーは優秀だった。
波に揉まれるサーフにおいても、38gという重量のおかげでしっかりとボトムを取ることができる。
その後もボトムをキープしながら、弱弱しい動きを演出することができる。
結果は42cmの真鯛を釣り上げることができた。
しかし、そこまでの道のりは果てしなく長かった。
総括
「ヘビーウェイトシンキングミノー」は、その重量とシンキングミノーらしい弱弱しい動きが特徴だ。
特にすれた状況下では、フローティングミノーの激しいアクションは時に魚を警戒させる。
一方でシンキングミノーの弱弱しい動きは魚の食い気を誘う。
流れの変化に応じて不規則に動く点も良い。
また、このルアーの特徴はなんといっても38gという重さだ。
今回のレビューにおいて、死にかけの魚を演出する釣りに徹することができたのは偏にこの重さがあってこそである。
もちろん通常のリトリーブで泳がせることもできるし、レンジコントロールも容易だ。
シンキングミノーという選択肢を取り入れてみたい釣り人に、是非この一本を手に取ってほしい。
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